この記事で解決できるお悩み
ものの見方を変えたいけどやり方が分からない
複数の視点を持てない
「ものの見方を変えたい」「いろんな視点を持つことで仕事の成果を上げたい」と悩んでいませんか?
実は、この記事で紹介する方法を実践すると、誰でもものの見方を変えることができます。
なぜなら、私も実際に実践して、物事の解像度が高まり、CFO直下のプロジェクトを立ち上げたからです。
この記事では、「見方・視点を変えたい」「だけどやり方が分からない」という方に向けて、神田房枝さんの「知覚力を磨く」という書籍を紹介します。
記事を読み終え実践もすると、あなたの毎日が変わりますよ!
ものの見方を変えるメリット
「あの人の視点はいつもすごい...自分も身につけたい!」
「ミーティングではいつも普通のコメントになる...センスあることを言えるようになるにはどうすれば」
こう思ったこと、ございませんか?
誰かと話したり仕事をしたりすると、否応でも自分よりすごい人の力を感じますよね。
その度に「すごいなあ」「良いなあ」なんて思ったりするわけですが、
そうした人のものの見方を身につけられれば世界は違ってくると思いませんか?
このパートでは、そうした、ものの見方を変えるメリットについて考えてみたいと思います。
それでは、早速みていきましょう!
世界が広がる
多面的な見方は、自分が今まで見えてなかった世界を教えてくれます。
なぜなら、物事の解釈は1つではないからです。
例えば、仕事と家の往復だけのような単調な生活に飽き飽きしているとします。
そこにあるのは、「つまらない」と感じている自分ですよね。
これは1つの見方です。
しかし、何につまらないと感じているのか、それ次第で解決策は変わってくるわけです。
仕事がつまらない?
いつも同じことをやっているから?大きな仕事を任せられないから?新しいチャレンジをしてみたら?上司にその思いを伝えてみたら?転職したら?
家がつまらない?
趣味がないから?一人で寂しいから?寄り道するところがないから?その時間がないから?
「つまらない」と感じている自分に留める見方をするのか、その深掘りをする見方をするのか、仕事の観点から考える見方をするのか等で、
自分の生活(世界)は、変わってきます。
今まで「つまらない世界」と見えていても、
なぜつまらないと感じているのかを考え、改善できるよう行動すれば、その世界は間違いなく変わるので、
今の自分の見方を変えることはとても大事なのです。
「伝える」が「伝わる」に
仕事で部下が言ったことを聞いてくれないなんてこと、よくありますよね?
指示をしたその時、後で部下がやっていなかったことが分かったその時、あなたは上司の視点からのみ話していたのではないですか?
あなたが、部下の性格も、抱えている仕事量も、それぞれの進行状況も完璧に把握していてその上での依頼なら話は別ですが、
部下も部下なりの事情があるわけです(部下に非がないと言っているわけではない)。
上司の仕事が「チームをマネジメントし、物事を円滑に進めること」なのだとすれば、部下側の視点も持つと良いかもしれません。
なぜ言ったことができなかったのか。
期限を伝え忘れてた?
完成イメージを抽象的に伝えてた?
具体の進行イメージができてなかった?
他のタスクに忙殺されてた?
やり方を聞きにきてたけど自分が「後で」と冷たくあしらってた?
自分の言葉を相手はどう捉えるのか、依頼する側のフォロー態度も原因かも?と、「依頼する側」「上司」の視点だけではなく、
自分が「依頼される側」だったら、「部下」だったら何をして欲しかったかという視点があると、
「伝えた」はずなのに、なんてことは少なくなっていくかもしれません。
家庭でも同じですね。
行き詰まりを解消できる
物事を進めていると、「あれ、分からない」と壁にぶつかることってよくありますよね。
その時に、具体的に何が分からないと感じたのかを因数分解したり、自分がどの観点で判断していたのか、他にどの観点があり得るのか、
といった客観視するような見方ができれば、行き詰まりは解消できるかもしれません。
少なくとも、「ここまでこう考えたのですが、分かりませんでした」、と言うだけで、
相談される側も「ちゃんと考えた上で持ってきたな」とか「この観点ではこういうことも言えるのでは」と、
どの部分の思慮不足に原因があったのかが分かって良い学びになりますよね。
ものの見方を変える力は、あらゆる方面で私たちの生活を助け、色付けてくれるのです。
ものの見方を変える肝は「知覚」
このように、ものの見方を変えるということは、私たちにとって非常に有用なわけですが、どうやって身につけるのでしょうか。
「見方・視点を変えたい」「だけどやり方が分からない」その悩みの解決の一助になるのが、知覚力を磨くことです。
このパートでは、私たちが物事をどう捉え、アウトプットをしているのかの流れについてまとめ、そのポイントについて考えていきます。
私たちの知的生産の流れは以下です。
人間の知的生産の3ステップ
- 知覚
- 思考
- 実行
私たちは、無意識のうちに「知覚→思考→実行」の流れで、物事を考え対処しているのです。
目の前の情報を受容しながら解釈を施し(①知覚)、
神田房枝,『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』,ダイヤモンド社,2020
それに対して問題解決や意思決定をしたうえで(②思考)、
実際のコミュニケーションやパフォーマンスに落とし込んでいく(③実行)。
(中略)
すべてにおいて私たちはこの3つの段階を踏んでいます。
ここで勘の良い方ならお気づきかと思いますが、
私たちの知的生産がこのプロセスに則るのであれば、重要なのは「知覚」であるということです。
ここで重大なのは、知的生産の出発点には知覚があるということです。当人がどんな知覚を持っているかによって、それに続く"下流"のプロセスの質が大きく左右されます。ビジネス上の問題解決やイノベーション、さらには日常のちょっとした意思決定や人生の決断といったものの成否も、知覚力の影響を受けています。
神田房枝,『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』,ダイヤモンド社,2020
世に出回っている書籍では「思考」に注目したものが多いと思いますが、
「どう考えるか」以前に「どう捉えることができるのか」によって、
その後の思考やアウトプットの幅も質も変わってくるのではないでしょうか。
知覚の重要性が理解できたと思いますので、より知覚について考えてみましょう!
知覚とは
知覚とは、自分を取り巻く世界の情報を、既存の知識と統合しながら解釈することです。
神田房枝,『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』,ダイヤモンド社,2020
どういうことか簡単に例示しますね。
例えば、あなたの会社が組織変更を行ったとき、あなたは何を感じましたか?
なぜ?と思いましたか?
「そりゃそうするよね」ですか?
それとも「ふーん」だけですか?
どの会社でもある組織変更。
なぜ行われたのか、何が目的なのか、どうすればそれは成功するのか、そうしたことを直感的に考えられた人と、考えられなかった人では、知覚力に差があるかもしれません。
ちなみに私は、クルト・レヴィンが思い浮かびました。
クルト・レヴィンは、ドイツ出身のアメリカの心理学者で、組織開発などの分野の研究をされた方です。
彼は、個人や組織的変化を実現するには、3段階あると述べています。
解凍、混乱、再凍結です。
第一段階の「解凍」では、今までの思考や行動、環境などを変えなければいけないことを自覚し準備を行う段階。
第二段階の「混乱」では、以前の考えや制度といった環境が使えなくなることによって引き起こされる苦しみや辛さ、混乱が伴う段階。
第三段階の「再凍結」では、新しい思考や制度といったものが固まり、より快適なものとして感じられるような段階。
このレヴィンの考えに照らせば、あなたの会社が決断した組織変更が、自分にどう影響するのか、いつどんなことが起きそうか、それに基づいてまずは何をすべきか、ネクストアクションが見えてきそうですよね。
例えば、「解凍」段階では抵抗する人が出てくるのは想像に容易いですよね?
→誰にどんなコミュニケーションをとるべきか、考えといた方が良いことが見えてきます。
上記をしたとしても、実際に変化する「混乱」段階では、慣れないことが連続し苦情が上がりそうじゃないですか?
→サポート体制は整えるべきですよね。
このように、よくある「組織変更」というワードが出てきた時に(自分を取り巻く世界の情報)、
何が大事なのか、どのフェーズが想定されるのかを、自分が持っている過去の知識と統合し照らし合わせることで(既存の知識と統合)、
「私の会社の組織変更は、今できていないこれをやる必要があると考えたのかもしれない。なので私は、まずこれをやろう」と考えることができるようになるのです(解釈する)。
知覚の特徴① 知覚は「多様性」に富む
上記の例は、私がパッと思い浮かんだのがクルト・レヴィンだったのでそれを元に記載しました。
でも、あなたは他のことが思い浮かびませんでしたか?
人はそれぞれ学んだことも経験もバラバラなので、当然異なる知識を持っています。
なので、何かの事象があったときの知覚もバラエティ豊かなものになるわけですね。
知覚の特徴② 知覚は「知識」と影響し合う
私はクルト・レヴィンの考えを知識として知っていたからそれと紐付けて考えました。
このように、知識は知覚に大きな影響を与えます。
解釈のステップでは、「既存の知識」との統合が起きます。個人の知覚は、どこまでの「すでに知っていること」の影響を受けます。
神田房枝,『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』,ダイヤモンド社,2020
しかし、ここで見逃してはならないのは、そうやって統合される知識自体も、元々は過去の知覚プロセス(情報の受容+解釈)を経てつくられたものであるということです。したがって、知覚と知識は、相互依存的な影響関係にあります。
知覚の特徴③ 知覚から「知識」がはじまる
「〇〇という会社をM&Aします」
そんな話が社内で上がった時、「M&Aって何?」と思われた方もいるかもしれませんし、「すごい!楽しみ!」と思われる方もいるでしょう。
こうした分からない事象に出会ったときに、調べるという行為をとれば、その知識が身につきますよね。
成功率が約3割と知れば、上手くいった事例は何を押さえたのか、M&Aの重要なポイントは何か、M&Aされる側の士気をどう上げるかなどについて調べても良いかもしれませんよね。
何を感じたのかによって、結びつく知識も、得る知識も、変わってくるのではないでしょうか。
「知覚」を磨く方法とは
さて、最後に知覚を磨く具体的な方法について記載しますので、ものの見方を変えたいという方は最後まで読んでいってください。
早速みてみましょう!
知覚を磨く方法① 「知識」を増やす
先ほど先ほどみた通り、知覚と知識は影響し合います。
なので、知識の増加は必要不可欠と考えた方が良いでしょう。
Aの情報が入ってきたときに、Bの情報だけを紐づけられるか、B,C,Dと複数の情報を紐づけられるかで、Aに対する解像度は大きく変わってきます。
知覚力を上げるためには、読書や教養に触れるなど知識を増やす活動を行いましょう。
しかし、どんな知識を増やすべきか、と疑問に思われる方もいるでしょう。
まずは手始めに、自分が携わっている仕事とゆるく関連する分野を意識するといいでしょう。
神田房枝,『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』,ダイヤモンド社,2020
(中略)
創造性に関する研究に多大な貢献をした心理学者のサーノフ・メドニックが指摘したとおり、高い創造性は「関連性がより希薄なものをあえて結びつけること」で実現されます。
と、あるんですね。
「組織変更」が行われるという先ほどの例では、私は「組織変更」というワードと、クルト・レヴィンという社会心理学者の考えを結びつけました。
全くかけ離れているわけではないものの、ワードと「組織」について研究したという点でゆるく繋がっていますよね。
知覚を磨く方法② 「他者」の知覚を取り入れる
知覚は、多様性に富むという話が先ほどあったかと思います。
多様性はその人が学んだことや経験したこと、感じたことなどによって生まれるのだと。
なので、経験や背景が自分と全く異なるような人と接点を持つことが有効です。
とはいえ、私のような内気な性格の方には難しいのもよく分かります(非常によく分かる)。
なので、読書ですね。
普段触れないような分野が良いかもしれませんね。
例えば、哲学や生物学、政治経済、農業だった良いかもしれません。
自分の知らない世界に触れてみましょう。
知覚を磨く方法③ 知覚の「根拠」を問う
何かしらの意思決定をしたとき、自分はなぜその決定に至ったのか説明できますか?
なぜそう考えたのか、別の選択肢には何があがったのか、それらを棄却したのはなぜか。
トヨタの「5回のなぜ」、ではありませんが、そうした突き詰める姿勢は自分をより明るみに出してくれるかもしれません。
知覚を磨く方法④ 見る/観る方法を変える
神田さんが最もおすすめし、本書のテーマでもあるのがこの方法です。
知覚への最大の影響力を持っている視覚をコントロールすることで、知覚力を高めるというものです。
書籍には、実際の絵画の写真があり、そこでトレーニングすることができます。
絵画観察トレーニングは、ハーバード大学やイェール大学といった名門も取り入れているものです。
本記事に記載したいところですが、書くよりも読んでいただいた方が早いので省略してます。
上記3つの方法でも知覚力を磨くことはできますが、この方法が気になるという方や、実践し磨いていきたいという方は書籍でぜひご確認してください!
まとめ
さて、皆さんいかがだったでしょうか。
知覚力を磨けば見方を変えることができる!というお話をしてきました。
本記事では、神田房枝さんの『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』の内容が有効であると考え、自分の回答を交えながらご紹介しました。
実際に、この書籍を読んだ後に美術館に行くとまるで感想が違いますね(笑)
今までどれだけ見た気になっていたかを痛感しました。
今回ご紹介したのはほんの一部に過ぎません。
書籍を読むと、なぜこの内容なのかといった背景が記載されているので腹落ちもしますし、「絵画を観察するように世界を見る技法」の具体的なやり方や、本記事で省略した他の重要なポイントも学ぶことができます。
今日が一番若い日です。
この本を手にとり、残りの人生をさらに有意義にしていきましょう!
この記事のポイント
ものの見方を変えれば世界が変わる
見方を変えるためには、「思考」も大事だが「知覚」を磨くことがより重要
知覚力を磨くためには4つの方法があり、中でも「絵画を観察するように世界を見る技法」を用いることで世界の捉え方が変わってくる
最後までお読みいただきありがとうございました!
詳細はこちらの本を読むことでよく理解できますのでぜひ購入してみてください〜!